被災地で問題になった寝たきり老人の排泄ケア

被災地で問題になった寝たきり老人の排泄ケア

老人介護

曽祖母は亡くなるまでベッドで寝たきりでした。認知症の義母には、パンツをやめて紙オムツを履いてもらっています。身体障害者で車椅子のおじさんは、尿管カテーテルを使っています。使い捨て手袋や紙おむつ、パッドは買い置きがありますが、ライフラインが止まったとき水を用意していないことに気づきました。

 

在宅介護が必要な家族は、震災時や緊急災害時に問題が浮き彫りになります。食事は、1食抜いても我慢できないわけではないしなんとかなります。しかし家族や介護者にとって過酷なのが排泄問題です。実際に我が家は、介護が必要な状態になってから災害を経験していません。普段利用している介護サービスが3日から1週間は利用できない前提で考えると体が不自由な家族の問題と課題が見えてきました。尿カテーテルを使っている身体障害者のおじさんは、訪問看護・訪問入浴。認知症の義母はディサービスで入浴サービス(1週間に4回利用)が1週間利用できないとなると少なくても3日〜1週間分の紙おむつと尿とりパッドは用意しておくことで災害時のADLの低下を最低限に防ぐことになります。

 

災害時のトイレ問題

 

 

若者、子供、健康な人 地震のショックから眠れず夜間頻尿になりやすい、プライバシーが守られないなどのストレスから便秘になる。仮設トイレは皆が使うので臭いが気になる。和式が多いので慣れていないと困難、排泄のリズムが狂う、被災直後は、緊急物資が届かない環境の変化がある、大便小便の用足しは、震災後すぐに問題となるので準備しておかないといけない
歩行可能 トイレ+尿とりパット、在宅や避難所に物資が届かない。パットが不足する、排泄物の臭い対策、断水などの問題。被災直後はプライバシーが守られないことがストレスになり排泄のリズムが狂う、便秘薬・下剤・浣腸などの利用も考える。パットやオムツの漏れを防ぐために重ね付けして横漏れがおきやすい
やや困難だが歩ける ポータブルトイレ+尿とりパット(紙おむつ)パッドや紙おむつからの漏れ、臭い問題、尿とりパッドや紙おむつの買い置きが必要。
認知症 失禁すると周りも気が立っているのでクレーム(苦情)が多発する、認知症の家族がいると避難所生活が難しくなる。仮設住宅で認知症が進行、悪化した。避難所は、おむつ交換する場所が少ないプライバシーが守れない。
自己導入尿カテーテル 断水でトイレに尿を流せない、水道が使えずカテーテルが洗えないなどの影響がある、断水時は、ウェットティッシュや消毒綿を代用、ペットボトルの水を使用したり洗浄せずに使ったり導尿回数を減らす、導尿しない選択をした人もいた。停電により断水で不都合が生じやすい。災害後は、膀胱炎 、発熱、急性前立腺炎 、急性腎盂腎炎 など1割野患者が感染症や合併症を発症している。災害時は、ライフラインが止まることを想定して洗浄のための水を確保するのが重要。また自宅、学校や職場など非常持ち出し袋に予備のカテーテルを準備しておくのが理想。
寝たきり 紙おむつパッドや紙おむつからの漏れ、臭い問題

 


高齢者介護のニオイ問題

寝たきり

医学が進歩して平均寿命は伸びる一方、寝たきりや介護が必要な高齢者が増えています。介護する側にとって重荷になり精神的にも心理的も負担になるのがニオイの問題です。たとえば住宅(部屋)のニオイや介護される人の皮膚や頭皮のニオイは、たえられます。口臭は、近寄らなければ気になりません。しかし便・尿(尿失禁)陰部・肛門周辺のニオイは、家族にとって大きな負担になります。

 

トイレに行ける高齢男性

洋式便所で立っておしっこをするのではねたおしっこが壁や床に染みて悪臭になる。おしっこをしたあと尿をポタポタ垂らすこともある。前立腺肥大だと上手におしっこができず飛び散るので床・壁を拭いて掃除する、できれば洋式トイレに座って用を足してもらうと良いが、長年の習慣は、変えにくい。
高齢者の場合、トイレに近い場所にベッドを置くなど工夫が必要

ポータブルトイレの使用

床マットは、洗いやすく使いやすいものを使う。脱ぎ着がしやすいズボンを履かせる。トイレットペーパーが使いにくい場合、昔ながらのちり紙を置くなど工夫する。我が家のポータブルトイレは、認知症の義母が使用しており時々漏らすので紙おむつと併用している。紙おむつに尿を漏らしただけでは臭いにくい。大便を漏らしたときは、臭う。おしっこと大便両方漏らしたときは悪臭。
ポータブルトイレもおしっこだけなら蓋をしておけば2時間ほどは臭わない。しかし便と尿を一緒にすると臭うポータブルトイレのバケツに水をはっておくなど洗いやすい工夫も大事。アンモニアは、2~3時間で臭ってくるのでこまめに捨てるのが理想。予算が許すなら尿用と便用を分けて使うと良いがおしっこと便と同時に出る人には、強制できない

陰部の清浄 尿や便が漏れると陰部が不衛生になるだけでなくアンモニア臭は強烈。介護用の大判体拭きを使う。本人が自分で使える場合、おしり拭きを用意する。市販のおしりふきは皮膚のかぶれやただれやすいので自分に合ったものを見つけておく
トイレへの誘導 おしっこの記録をつけておき食後などトイレに誘導し失禁を防ぐ、夜間失禁を防ぐために夕方以降の水分量に気をつける
使用済みのおむつ 高分子ポリマーや消臭繊維が使った紙おむつが増えてきた、履くパンツ式は薄型で衣類の上から履いていることはバレない。汚れた部分を内側にして1回分ごとに新聞紙でつつみビニール袋に入れておく。空気が漏れなければ臭いは防げるのでジップロックなど密閉性の高い袋を活用すると良い。使用済みのおむつの臭いは介護者にとって頭の痛い問題なので工夫が必要。

 

 


寝たきり老人の便の処理

寝たきり介護

便は、時間が経つと臭いはじめます。曽祖母の介護をしているとき病院で何時間おきにオムツを交換したらよいか伺ったら4時間おきと言われたので最初は、夜中も早朝も律儀に4時間毎におむつ交換をしていました。真冬だったのでパジャマを脱がすと寒がるため夜中よく眠っている時は、そっとのぞいてわざわざ起こしておむつをかえるのは、介護する人もされる人も大きな負担になるので・・あえて時間をのばすようにしました。

 

寝たきり老人の場合子供や赤ちゃんのように動き回るわけではないので便は漏れにくいもののおむつを交換したりパジャマの脱ぎ着など腰を持ち上げる動作の方が大変でした。赤ちゃんのように腰を持ち上げようとすると一回で腰痛になります。膝を立てさせて肩と膝を同時に動かすと良いかも知れません。


床ずれ褥瘡(じょくそう)の増加

震災が発生すると物資が不足します。避難所や在宅だと紙おむつが尿とりパッドなどの物資が十分に行き届かないこともあり床ずれ褥瘡(じょくそう)増加します。尿もれや便もれを防ぐために在宅介護をされていた女性で、4枚も5枚のパッドを重ねておられお尻に床ずれ褥瘡(じょくそう)が出来ていたこともあったそうです。

 

地震や災害が発生すると断水や停電などライフラインが止まってしまいます。しばらくは下水道を止めてしまうので水があっても汚水処理ができないこともあります。またおむつ交換をしたとに手指を清潔にしたくても水が出ないので体が不自由な人や高齢の介護者や家族にしわ寄せがいきます。パッドの重ね付けをしていた家族は、後始末が大変、横モレしないための工夫だったようですが重ねてつけることで尿の吸収量を増やしたいと考えたようです。また漏れは防ぐつもりで重ねたパッドは隙間ができてしまい漏れやすくなり逆効果。さらに湿気で床ずれ褥瘡(じょくそう)まで出来ます。

 

避難物資がどこにあるという情報が入ってきても配送システムがうまく機能しないんどの問題も出てきます。

 

普段家族が取り組む排泄ケア

 

  1. 可能な限り座位を
  2. トイレのリズムを知る
  3. トイレのリズムを作る
  4. トイレに誘導する(リハビリもかねて)
  5. 介護保険を活用する
  6. 紙パンツ紙おむつは症状に応じて選ぶ
  7. 尿とりパッド紙パンツを正しく使う

 

在宅介護の家庭ではいざというときのために介護用品尿とりパッド紙おむつを、普段より吸収量が多いものを備蓄しておくことが重要です。目安としては、3日から1週間分の紙おむつパッドの備蓄が必要です。普段から流動的に1週間分以上をストックしておきながら使い買い足しながら備蓄を常に頭に入れておくようにしましょう。

被災地で問題になった寝たきり老人の排泄ケア関連エントリー

雨水をためる 震災を乗り切る工夫
地震や自然災害で止まるライフライン。被災者が1番困るのが断水。飲料水の確保していても小便や大便を流すトイレ用の水まで準備していない。洗濯・掃除・トイレの水・体を拭くとき必要な日常生活用水。雨水をタンクに溜めておくといざというとき困らない
携帯簡易用トイレは女性や女の子でも使いやすいの??
災害を想定して安価な簡易トイレを準備するだけでなく、実際に使ったり試しておく。男性には簡単な携帯トイレは、女性でもおしっこを飛び散らすこと無く使えるのか?使いづらくないのか?空腹はガマンできても便意と尿意は我慢出来ない。非常食よりトイレの準備が大事。
雨水利用
雨水